トップページ >
プロローグ
都市伝説とは― ◆
『友達の友達程度の間柄において口伝という手段によって伝播する噂』
『奇怪で魅力的な、真偽が明らかにならないような噂』
『半分くらいは真実かもしれないと信じてしまうような噂』
米国都市伝説研究の第一人者ブルンバンによる都市伝説の定義
第零話「客の消えるブティック」 ◆
日々の雑務に勤しんでいた警視庁纂室のもとに、行方不明人の捜査依頼が舞い込む。
依頼者は峰岸さおり。探して欲しいのは中学生になる娘【峰岸紫音】だと言う。
紫音の友人から、紫音がよく高級ブティックに顔を出していたことを知り、
編纂室の面々は紫音の失踪が【K*オルレア】という高級ブティックを来店した前後であることを突き止める。
【K*オルレア】の店長【高嶋紅】に頼み、店内の監視カメラの映像をチェックしてみると、確かにビデオには試着室に入った紫音の姿が映っていた。
しかし、ビデオの中の紫音はその後試着室から出てくることは無く、服だけを残して忽然と姿を消してしまう。
試着室から紫音がきえたのか、それともビデオに細工がされているのか。
困惑する一同の前に、さらに奇妙な情報がもたらされる。
現在【K*オルレア】が建っている場所に以前あったブティックでも、
試着室に入った客が行方不明になる事件が複数発生していたというのだが―――。
第一話 高額アルバイト ◆
『妹が怪しげなバイトをしようとしている』
小暮の妹の【綾】は、最近、高額な報酬に惹かれて新薬の【治験アルバイト】に参加しているという。
妙なバイトに手を出した妹を気づかう小暮に対して、編纂室の新人、羽黒薫はアルバイトに関する都市伝説を並べ立て、
小暮をさらに不安がらせる。そんな折、不意に小暮の携帯電話に着信が入った。
相手はどうやら話題になっていた妹の綾らしい。が、通話している小暮の顔は見る見る強張っていく。
「このバイトはなんだかおかしい」「もう帰りたい」
小暮に助けを求める綾の声の後ろには、物の壊れる音や、人の怒鳴り声などが響いており――会話の途中で、不意に通話が途切れた。綾の身に何かが起こったのではないか。
編纂室の面々は治験の行われている施設に向かうが、そこで彼らが見たものは、もぬけの空となった研究所だった。
食器や荷物、調度からして、直前まで人がいたはずの建物内は、奇妙な静寂に満たされていた。
まるで、乗組員だけが忽然と消えてしまったという幽霊船【マリー・セレスト号】のように―――。
第二話 赤いちゃんちゃんこ ◆
有名私立小学校の「私立相羽学園」にて、女子トイレの壁や床に大量の血が撒き散らかされる事件が起きた。
捜査を始めた純也らは、女子生徒から「赤いちゃんちゃんこ」と呼ばれるお化けがでるという噂と、一人の女子生徒が消息不明になっていることを知る。
トップページ >
プロローグ