大正二十年、帝都。 新時代の浪漫に色めく世間は、「運」の噂で持ちきりだった。
ある者は常に幸運に恵まれ、またある者は、まるで運が消えてしまったかのように、常に不運にさいなまれる。 その「運の格差」は、世間の華やかさを尻目に、人々の心に暗い影を落としはじめていた。
同じ頃、オカルト専門の探偵業を営む鳴海とライドウの下に、妙齢の女が一件の依頼を持ち込む。
捜査を進めるうちに、鳴海とライドウは、帝都を遠く離れた寒村へたどり着く。 そこは、時代遅れの因習に縛られた人々が住むような村だった。
二人はそこで、帝都に危機が迫りつつあることを知るのであった・・・。